18650バッテリーは、充電式リチウムイオン電池の世界で定番であり、ポータブル電源における信頼性と効率性の代名詞となっています。直径18mm、長さ65mmの円筒形セルは、エネルギー密度、寿命、安定性のバランスに優れています。ノートパソコンや電動工具から電気自動車、大規模エネルギー貯蔵システムまで、あらゆる用途で幅広く使用されています。
バッテリーパックの構造の基礎
一般的に考えられているのとは異なり、18650セル1個だけでは、ほとんどの高出力アプリケーションには不十分です。複数のセルを組み合わせることで、一体感のある強力なバッテリーパックを構築できます。これは、単一のセルでは満たせない特定の電圧と容量の要件を満たす必要があるためです。バッテリーパック構築の秘訣は、これらのセルを直列および並列に戦略的に配置することです。直列接続は電圧を上昇させて目的のレベルに到達させ、並列接続はパック全体の容量(Ah)を増加させます。
18650電池の電圧と容量
標準18650セル通常、公称電圧は3.6ボルトまたは3.7ボルトで動作し、フル充電時には最大4.2ボルトに達します。しかし、電圧はバッテリーの性能を構成する要素の一つに過ぎません。これらのセルの容量はミリアンペア時間(mAh)で表され、その値は大きく異なります。主流の18650バッテリーは1800mAhから2600mAhの範囲で提供されており、ハイエンドのセルの中には3500mAhや4000mAhもの容量を誇るものもあります。この違いは、特定のバッテリーパックに必要なセル数を決定する上で重要な役割を果たします。
バッテリーパックの計算:48V12AHの例
48V12AHユニットのようなバッテリーパックの設計には、セルの適切な組み合わせを確保するための綿密な計算が必要です。このプロセスは、アプリケーションの特定のエネルギー需要を満たすために不可欠です。計算内容を詳しく見ていきましょう。
直列接続の計算(電圧):
バッテリーパックの総電圧を1セルの公称電圧で割ることで、直列接続に必要なセル数を決定します。公称電圧3.7Vのセルを使用する48Vバッテリーパックの場合、計算は以下のとおりです。
バッテリーパックの合計電圧(48V)÷1セルの公称電圧(3.7V)=直列セル数(S)
直列数: 48V ÷ 3.7V ≈ 13セル直列 (13S)
並列接続(容量)の計算:
バッテリーパックに必要な総容量を1セルの容量で割ることで、並列数を計算します。2000mAh(または2AH)のセルを使用した12AHのバッテリーパックの場合、計算は以下のとおりです。
バッテリーパックの総容量(12AH)÷セル1個の容量(2AH)=並列セル数(P)
並列数: 12AH ÷ 2AH = 6セル並列 (6P)
したがって、2000mAh セルを使用する 48V12AH バッテリー パックの場合、必要なセルの総数は次のようになります。
セル総数: 直列13セル (S) × 並列6セル (P) = 78セル
カスタマイズと適応性
バッテリーパックをカスタマイズすることで、特定の要件に合わせてエネルギーソリューションを柔軟にカスタマイズできます。直列数と並列数を調整することで、様々な用途に適した電圧と容量のバッテリーパックを作成できます。この汎用性は、標準的なバッテリーサイズと容量では対応できない分野で特に役立ちます。カスタムバッテリーパックは、ニーズに応じて、コンパクトなスペースに収まるように設計することも、稼働時間を延長するように設計することもできます。
18650バッテリーパックの構成の複雑さを理解することは、カスタムバッテリーソリューションの設計と活用に携わるすべての人にとって不可欠です。バッテリーパックを正確に計算しカスタマイズする能力により、設計者とエンジニアは特定の要件を満たす電源ソリューションを構築し、ポータブル電源の革新と効率化への道を切り開くことができます。
投稿日時: 2024年1月25日